いとうせいこう『想像ラジオ』河出書房新社

ネタバレ特になし。
いやこれは…素晴らしいなあと思う。ウワサに違わぬ傑作でありました。
なんと言うか、あまり評する言葉もないぐらいの作品だけど、「想像ラジオ」に耳を傾ける、その真摯さのそのままに、静謐で緊密で、厳粛でありながらも優しさに満ちた、深みにありつつ近くに寄り添う、そうした言葉と思いの強さを感じ、またそれを信じられる小説。
そうしたものを書き、そしてそれが読まれる、そのやり取りを「想像」という言葉に託したのは、さすがの言葉の遣い手だと思う。
評価はA。

想像ラジオ

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