amazarashi 『永遠市』

8th(オフィシャルでは7th)フル。

楽曲の流麗さ、アルバムとしての起伏、エモーションの濃密さ、バランスの取れた良盤。『ヒガシズム』『ボイコット』みたいに滂沱の涙がとめどない、という感じではないですがまあ、気に入ってガンガン聴いています。

「下を向いて歩こう」はタイトル聞いた時の感激を超えてこないきらいはあるがそれでも佳曲だし、「アンチノミー」はアルバムの沸点をなすエモーショナル曲で最愛、「命にふさわしい」といいこのタイアップでいい仕事しすぎと思う。「君はまだ夏を知らない」も「夏を待っていました」の風景がやがてここに結実するかと思うと感慨が深すぎる。

あとは近作屈指の完成度の詩作が胸を打つ「カシオピア係留所」。

この世にあるほとんどのものが 成し遂げた奴らの血の跡としたら
それに立つこの言葉は 過去の誰とも違う
自惚れて それを書き足せ その痛みは共通言語だ

ひろむはこう言ってくれるけど、まずは痛覚を取り戻すところからだわな。