竹原ピストル 『PEACE OUT』

7thフル。
紅白出場記念、というわけではなく、やはり『極東3』の「LIVE IN 和歌山」がよすぎたので、野狐禅時代含めてなぜかスルーしていた彼の音源をちゃんと聴かないとな、とは思っていたのですよ。
で、単純にいいなあと思えるアルバムです。ブルージィな歌声と佇まい、もうフォークギター抱えて歌うために生まれてきたような、ナチュラルボーン・ブルースフォークシンガとしての圧倒的な説得力をビンビンに感じます。
キャラも芸風もめちゃくちゃ立ってるのに、それに間然としない様々な表情を持った作品。「虹は待つな 橋をかけろ」のような隙の無いグッドソングや、「最期の一手 〜聖の青春〜」のような、タイアップ前提にして対象の核心射抜くような冴えたソングライティング、「ただ己が影を真似て」のようなリリシズムとセンチメントが滲出して泣かせるフォークバラード、そして「例えばヒロ、お前がそうだったように」に表出するような、狂気と形容できさえする優しさの情景は「LIVE IN 和歌山」で撃たれたそのものであって。
迫力のギターとブルースハープ、なにより唯一無二の歌声を擁し、多彩ながらもこれ以上なく筋の通った、某MCのリリックを借りれば「虚飾を飾り立てるところは微塵も無い」音楽。イースタンもamazarashiもシロップもそうだけど、この年になるとこういう音楽以外はいらないと思うようになりました。