浅野いにお『零落』小学館ビッグコミックス

漫画家マンガ。
ヒット連載を終えた漫画家の空虚と周囲との軋轢、そしてやがて訪れる「覚醒」を描く。
…ひたすら暗鬱で、気が滅入ってくる作品。救いとしてのカタルシスも望めません…大ゴマのキメも個人的には感じ入るところはなかったな。
メタフィクショナルな要素をどれだけ自伝と捉えてよいのか判断に困るし、浅野いにおという作家がコレを描かなければならなかった必然性はおそるおそる推察するしかないのですが、読んで惹起された最も大きなものは「困惑」だったな。
絵の完成度や描写のリアリズムはさすがだが…最中のちふゆちゃんの顔とかにも惹かれるけれど。