『相棒 劇場版』

@みなとみらい109
観たかった『アフタースクール』がケツカッチンのため観ることができず、評判のよいこちらにシフト。…しかしこれはアタリでした。
劇場で観たなかでの人生最低の映画、『交渉人 真下正義』という前例があったため、どうしても身構えてしまう「刑事ドラマの劇場版」でしたが、その枠の中で評価すれば大傑作、一般の映画としても佳作との評価を下回ることはないでしょう。
構成が見事です。遊戯性とサイコ臭で序盤を不穏に演出しつつ、背後に隠された社会的なテーマをほの見せると同時に事件のスケールをマックスまで拡大、「社会派サスペンス」としての骨太さを堅持することで、「泣かせ」の家族ドラマにしっかりと説得力を与える、と。その過程では知能戦のスリルもしっかり演出されてるし、これだけのクオリティの「刑事ドラマ」を、少なくとも僕は知りません。映画的な芸術性やダイナミズムには物足りない部分もありますが、それを志向して破綻した死屍累々を考えれば賢明でしょう。きっちり筋の通った作品だと思います。筋なんざミクロン単位も通ってない某捜査線とは違って。
で、最後に一つ。どっかで見た顔だと思ったら『GO』で正一役演ってたな細山田隆人。好青年の役を演らせると抜群にハマるね。もっといろいろ出てください。