霧舎巧『霧舎巧傑作短編集』講談社文庫

ネタバレ特になし。
高校野球の解説者に「鍛治舎巧」って人おらん? …親戚?
初短編集は落ち着かない小説が並んでいました。不安定な視点と文章が読者をフワフワした気分にさせる。各短編のアイデアには見るべき部分もあるが、それをなんとか小説に仕立てようと一生懸命なその過程が透けて見えるような。この人の手癖であるシリーズ内外に張った伏線に関しても、シリーズがどうでもいいのでどうでもよかった。
素人時代の作品も混ざってることも考えれば、小説技巧の面での瑕疵はあげつらうべきでないとは思うけどね。でもお寒い恋愛模様は、作者が可愛らしく思えるレベルにまで至ってるな。
評価はC+。

霧舎巧傑作短編集 (講談社文庫)

霧舎巧傑作短編集 (講談社文庫)