ネタバレ特になし。
1972年、早稲田大学構内での、革マル派による学生リンチ死事件と、その前後のキャンパスの「政治の季節」を描くノンフィクション。
副題「大学構内リンチ死事件の永遠」…の割には川口大三郎事件へのフォーカスはそれほど強いものではなく、むしろその後、新自治会の委員長として、対革マルの運動に奔走した著者自身の苦闘の回顧録という性質が強い。
これぐらいの経験をして、新聞記者を経て作家として立ったのであれば、そりゃ書かないわけにはいくまいなと思いつつ、それほど劇的なドラマもない、端的には挫折のお話で一巻成立させるのは、なかなか厳しいものがあるな…と。
評価はC。