岡村青『血盟団事件 井上日召の生涯』光人社NF文庫

ネタバレ特になし。

血盟団首魁、井上日召の評伝…をうたう割には、ライフストーリィ的な部分、思想や人間性、肝心の血盟団事件の核心や詳細より、その前後の社会情勢に筆が割かれている印象があった。筆者にとってそれが不可欠で主題に近いものだったのだろうが、特に中島岳志の本を読んだ後では、いかにも物足りなく感じた。まああっちはどちらかと言うと団員たちの精神性の方に主眼があったからな…。

文章も独特でちょっと読み難いし、そもそもこの版元に若干の偏向性を感じていて先入観はあるかもしれないが…。

評価はC。