中島岳志『血盟団事件』文春文庫

ネタバレ一応注意。
ということで中島先生による、血盟団事件のルポです。書誌史料だけでなく関係者のインタヴュー取ってるので、ルポと言っていいと思う。
井上日召や小沼正、四元義隆といった中心人物の出生と事件に至る流れを丹念に追いつつ、唯一の生存団員(執筆当時)や、四元と深い交流のあった中宗根康弘のインタヴューなどで(インタールード的ではあるが)現在の視点も絡めるなど、丹念であり、また野心的でもある仕事です。血盟団員たちの純粋さ、自己犠牲への希求ってのは、作品通じてしっかり筋が通って強い印象を残します。
元々カルト宗教から派生した興味対象だったけど、同時に昭和史に対する興味も高まってまいりました。大川周明とか昭和維新周りを探りたいのですが、まずは福田和也石原莞爾伝からいこうかと思っています。
評価はB。

血盟団事件 (文春文庫)

血盟団事件 (文春文庫)