高橋和巳『白く塗りたる墓・もう一つの絆』小学館P+DBOOKS

ネタバレ注意。

未完長編の合本。

「白く塗りたる墓」は放送倫理と公害問題、「もう一つの絆」は医療と戦争犯罪、それぞれアクチュアルなテーマ性が興味深く、未完が惜しまれる傑作の萌芽。

「白く塗りたる墓」はテレビ局という舞台設定もあってか、今までの長編の中で最も読みやすく、その意味でも新機軸たりえたか。「もう一つの絆」はハマショーみたいなタイトルに反して、やはりデカダン気質なインテリの悲哀と鬱屈が描かれていて、こっちがなじみ深いw つか『堕落』まんまじゃね?

記録のみ。