二階堂黎人『諏訪湖マジック』徳間文庫

ネタバレ注意。
大宮駅で死体が電車めがけて投げ落とされた謎と、諏訪湖畔を舞台に武田信玄墓所伝説にまつわる失踪・殺人事件が絡む、トラベル・ミステリ長編。水乃サトルシリーズ。
…というように、あらすじだけ書いてみても錯綜してるけど、実際無駄に長い印象はある。序盤の低クオリティな警察小説もどきも、それと対照的なトラベル/キャラクタ小説部分のお寒いノリも、ギャップ狙いでやっているのだろうにせよ、いずれも夾雑としか感じられない。
…トリックやハウダニットの部分に関しては、解き明かされてみればシンプルだし、そこに孕まれる警察のセクショナリズム批判という社会性は、実行(効)可能性と裏腹だとはいえ、まあまとまりのいいプロットだと評価できるものではあったのだが。
でも同時に盲目的なキャリア批判だとか、ケータイがどうだとか、クソみたいな持論披露があったりするので、やっぱり天然なのかも。
評価はC。

諏訪湖マジック (徳間文庫)

諏訪湖マジック (徳間文庫)