『イングロリアス・バスターズ』

DVD。
ナチス統治下パリでのプロパガンダ映画のプレミアをめぐる、タランティーノによるコンゲーム・アクション。
グロ描写とハデなドンパチと、恰好のいいキメカットの満載された娯楽作。笑いの混じった悲鳴をあげつつ楽しめます。
基本的にナチスを殺しまくる勧善懲悪、史実を取り入れつつやがて完全無視してエンタテインメントに徹していく潔さのある作品だけど、プロパガンダ映画で芸術表現を貶めたナチス歴々が、まさに映画によって殲滅されていく情景は映画作家の自意識を感じさせるに十分なカタルシスだし、主要登場人物ほとんど憤死、またラストに至って、それまで厭味な怜悧さを存分に発揮していた敵役が発露する愚昧さは、単純な反ナチスといったストーリィを超えた、より大きな無常感を演出してもいて。
ネオナチに狙われないかとか心配になるけど、女優も綺麗に撮れてて、やっぱいい仕事するわ。ラストの台詞に意識的な「最高傑作」なのかはよく分からんけど。

イングロリアス・バスターズ [DVD]

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