笠井潔『ヴァンパイヤー戦争 8 ブドゥールの黒人王国』講談社文庫

ネタバレ注意。
灼熱の砂漠と酷寒の高峰を越えて辿り着く、「黒人王国」編。
そこに至るまでの秘境冒険小説としての妙味と、ブドゥールで展開される集団戦闘の描写、いずれも濃密で迫力があり、ここまででベストのエンタテインメントぶりでした。
「死の処女」たちの祭儀も、伝奇エログロ全開で素敵だった。前半の巻でさんざん説明した設定が既にどっかいっちゃった感も否めないが、テンションはどんどん上がってきているし、このまま突っ走ってほしいところ。
相変わらずの口絵、ハタルの「ガロンの鱗」が真逆とか、どうでもいいや。
評価はB+。