岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』宝島社文庫

ネタバレ注意。
京都の「珈琲店」を舞台にした連作。日常の謎の横軸とキャラクタ/恋愛の事件を縦軸にしたライトなミステリ。
メアドからの人名同定とか、セコい小ネタにはカチンとくるものがあるけど、キャラクタと恋愛の要素も、京都モノとしても、日常の謎で引っ張りつつどんでん返し、というプロットにしても、まあ頑張ってるよね、という水準ではある。しかしいずれも新鮮あるいは独自の達成ではないし、人工的な印象がずっと纏わりついたまま。ラノベの延長として読めばまあ許せる範囲といった感じで、表紙の萌え絵なんかはむしろ誠実だわ。最近は京大の人でも色々な作風がありますね!
後輩が熱烈な推薦と共に貸してくれたんだけど、俺がこのテの小説に示す反応、いくらかは予測できただろうに…。
評価はC。