eastern youthのヴォイス/ギター、吉野寿の宅録ソロ。
いかにも宅録っぽいローファイな音なので、吉野的な世界観のネガティブな側面、苛立ちであったり、寂寥であったり、そうした叙情がよりダイレクトに伝わってくるように感じました。バンド・サウンドのダイナミズムやカタルシスはないけれど、リリシストとしての吉野寿を堪能できるソロ・ワークスです。「november4pm」のような叙情的なインストも、最近のイースタンでは聴けないので(昔は「冬の残像」とかあったけど)、なかなかに貴重だと思いました。
二人でいたれどまだ寂し
一人になったらなお寂し
真実二人は遣る瀬なし
真実一人は堪え難し
(「他ト我」、歌詞聞き取り)
なんて呟くような寂寥の「他ト我」という曲がラストの一曲前に入っていて、これで〆だったら本当にそういう一枚になってしまうところですが、でもそれを経てのラスト「念力通信」は最もポジティブで軽快な曲で、その対比がアルバムを通して鮮烈な印象を残してくれます。
もし涙が溢れたら 空の彼方に俺を呼べ
そんな時 泣きながら俺が君を呼ぶように
(「念力通信」、歌詞聞き取り)
イースタンの轟音で聴きたい曲でもありますが、でもやっぱり最高にかっこいいなあ、ずっとついてくよ、そう思えるアンセムです。
bedside yoshino#1 (ベッドサイドヨシノ#1)
- アーティスト: bedside yoshino (ベッドサイドヨシノ)
- 出版社/メーカー: 吉野製作所
- 発売日: 2010/03/06
- メディア: CD
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