藤田宜永『さもなくば友を』集英社文庫

ネタバレ一応注意。
なんかフィルム・ノワールのノベライズみたいな話だな…と思ってたら順番が逆だった。ロマン・ノワールね、狙って書いてるのね、恋愛とかオカルトとかミステリとかいろいろ節操ないけど、最初はまず和製ロマン・ノワールの書き手だったのね、という再認識の本。フィルム・ノワールだってマトモに観た記憶ないんだけどさ*1
で、端的にはパリを舞台にしたノワールピカレスクです。自分にとって新鮮なジャンルだったってこともあるだろうけど、さすが得意ジャンルの筆も堂に入って、安定した愉しい小説でした。テンポ抜群、キャラクタも魅力的。特にジミーは素敵だった。映像化するなら浅野忠信だな!
ラストも寂寞としていていいな…こういうところがハリウッド映画と違うとこよね。
評価はB。

さもなくば友を (集英社文庫)

さもなくば友を (集英社文庫)

*1:親父に薦められた『冒険者たち』は途中で寝た記憶がある。