OLIVE OIL/ILL-BOSSTINO/B.I.G.JOE 「MISSION POSSIBLE」

コラボレーション・シングル。
トラックは凄くいいと思う。可能性とその祝福に満ちて華やかなトラックは、あるいはリリックよりも雄弁にこの曲のメッセージを表現しているかもしれない。
リリックに関して、俺はなんらクリティカルな提言は期待していなかったので、これはこれでいいと思う。リスナの姿勢として問題はあるかもしれないが。ただ同時に、そんなノンポリを揺り動かすような力を持ったリリックとは思えない、というのも事実。特にラストのリフレインは、空疎に響いてしまう。
むしろ二人のラッパーの「かけあい」そのものが聴きどころだと思った。
BOSSとB.I.G.JOEのラップは、それぞれキャラクタが違っていて、その相克の様がスリリングだ。ビートを引っ張っていくように力強いBOSSのラップに対して、B.I.G.JOEのそれはよりトラックに寄り添って流麗に聞こえる。初めて聴いたけど、「踊れる」MCだと思った。声質もライミングも、好印象だった。
この二人のMCの間の騒ぎに関しては、断片的な知識があるだけなので別に何も語れないけど、この見所のある相克を聴いていると、これから先も面白いことがやれそうだと思う。その意味でこの作品は祝福されるべきものだろう。

MISSION POSSIBLE

MISSION POSSIBLE