ネタバレ特になし。
消えていった20世紀の事物を、2035年の野田老人が、二人の孫に語り伝える、という体裁のエッセィ集。
これ、面白かったです。人物評ではないので、癇に障る毒舌がなかったのもよかったのでしょうが、過去の記憶・エピソードの生々しさや繊細さ、それを含めた題材への切り込み方、今まで読んだこの人の本の中で一番、知性と本来の意味でのユーモアを感じさせてくれました。…まあ、オチは大概ダジャレだけどね。
ベストは「ピンクの冷しそうめんの章」、《年のいったイトコとか、定職についていないオジ》(192p)のくだりかな。
評価はB。
- 作者: 野田秀樹
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/08
- メディア: 文庫
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