ネタバレ特になし。
女学校教師、ニシ・アズマを探偵役に、その内外での事件を描くシリーズ短編集。昭和の作品です。
それぞれの短編のプロットやロジックは緊密性を欠く部分が大きく、完成度としてはそう高いものではない。ただこの作品の場合、全体を覆うユーモアや、飄々とした雰囲気を楽しむというのもアリだと思う。
…逆に言えば、そうして読ませるだけのものになっている。その風情に加えて、各話の短くシンプルな構成、動機の部分を捨象したストイシズムも、時代性考えれば貴重なものなのではないか。この時代のミステリって、色恋からの刃傷沙汰のイメージあるからね、なんか。俺だけかしら。
評価はC+。
- 作者: 小沼丹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/07/12
- メディア: 文庫
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