陳浩基/玉田誠(訳)『世界を売った男』文春文庫

ネタバレ注意。

六年間の記憶を失って目覚めた主人公の刑事が、一家惨殺事件とそれに関連する記憶の謎を解き明かす、サイコ・ミステリ。

記憶喪失、PTSDに多重人格…手垢の付きまくった題材だったので、いまいちテンションが上がらなかった。この後にものされた傑作『13・67』に向けた秀作って感じのレベルかな。

どんでん返しの連続や伏線処理、小粋なラスト一行など、サプライジングな仕掛けはサービス旺盛に凝らされていて、リーダビリティも高いが。やっぱ『13・67』読んだ後だとなー。

評価はC+。

世界を売った男 (文春文庫)

世界を売った男 (文春文庫)