ネタバレ特になし。
ローザンヌ「アール・ブリュット・コレクション」と滋賀「ボーダレス・アートミュージアム NO-MA」による企画展図録の一般書籍化。
それぞれのアーティストは数点の取り上げのみ*1だけど、それ見てるだけでもインパクトのある表現ばかりで、なかなかに惹き込まれる。アロイーズやヴィレム・ファン・ヘンク、レイノルド・メッツのようにひたすらに美しい表現も、西川智之や澤田真一の造形のように、何をどうしたらそうなるんだ、って異形もあって、人間の創造性の豊穣を見せつけられます。
編著者や都築響一らによる、ピックアップされたアーティストの取材テキストが巻末にあるんだけど、それらはかつて自分の興味対象の主眼であったところの、アーティストの人となり、アウトサイダーぶりも書かれているけれどそれよりも、それを理解(しようと)し、芸術として取り上げた発見者、ないし庇護者たちの眼差しにこそ心打たれるものがあった。そうした肯定を受けられずに、抑圧され霧散していった芸術も数多いだろうから…。
どうか全てのアウトサイダー・アーティストたちが、その表現衝動を自由に発揮できる環境と理解者を得られるよう、願わずにいられない。
評価はB。
- 作者: はたよしこ
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/01/31
- メディア: 単行本
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