ネタバレ注意。
高原の田舎町に連続する殺人事件を群像的に描く長編。
珍しく銀行の絡まない、オーソドックスな共同体群像ミステリです。田舎町の入り組んだ人間関係とか、その閉塞感とか、自殺幇助サイト事件なんかの社会性とか、「銀行以外も書けまっせ!」という気合いの見えるプロットと描写ではある。
しかしまあ…それらは目新しさを感じるところのものではないし、真犯人とその暴露に至る手つきも全くスムーズにいってないし、「梨子」をめぐるトラウマの描写とか、正直ダダスベりと思われる部分も目についたり。
そんなあげつらいの後でフォローにならんけど、一定のリーダビリティは認められて愉しめる本ではある。それがベースにある池井戸作品では、下の中といったところでは。
評価はC+。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: 文庫
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