鯨統一郎『なみだ特捜班におまかせ!』祥伝社文庫

ネタバレ注意。
「サイコセラピスト探偵・波田煌子」シリーズの連作。今回煌子さんはプロファイラとして、迷宮入り殺人事件の特捜班に登用、いくつかの難事件に対峙する。
鯨らしいユルい雰囲気。連作にいくつか必ず入れてくる小ネタがあって、本格ミステリのネタとか、お茶とお茶請けの(薄めの)薀蓄とか、当時の(懐かしい)お笑いネタとか、くすくすしながら読めるユーモア・ミステリです。
肝心のミステリとしての結構は、連作も最初の方では、強迫神経症的な「あるある」を、うまいこと猟奇殺人の加害者心理として援用したりしてて面白かったけど、中盤以降はかなりグダグダで残念。
まあ、ユルく楽しめばいいんじゃないでしょうか。
評価はC。