ネタバレ注意。
成城に住む老人の謎の行動、都心を彷徨するピエロの謎、乱歩と同潤会アパートの写真の謎、それら三つの短編が、北海道の雪原を走る列車での殺人/死体消失事件に遡り繋がる、連作長編ミステリ。
都市ミステリとしての短編が、雪列車での死体消失というロマンティックな謎に接続される、雄大な構想の下になる佳編。島荘らしい力技はそこかしこに見られるが、この作品に関してはそれがいい方に出たと評価していいのでは。
個人的に同潤会アパートに興味があって、このぐらいの扱い方では物足りなかったけど、その辺は自分で勉強しましょう。
評価はB−。
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/07
- メディア: 文庫
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