ネタバレ一応注意。
短編集。売れない作家の主人公が渋谷でオヤジ狩りに遭い、命乞いに物語を語り聞かせるという構成の「シブヤンナイト」。
しかしそのあたりの設定はあくまでガクブチの部分であって、連作としての妙味は薄い。序盤は不倫だなんだと痴情モノが多くて、すわ今回はこんな卑近なテイストかと危惧されたけど、進むにつれてホラーにSFに奇妙な味にと多彩になって、いつも通り読ませる作品集だった。
中では「青い骨」が緊迫感のあるサスペンス・ホラーで好みだったのと、「渇いた犬の街」が山田正紀らしい特異な世界観を現出していてよかった。
評価はC+。
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/10/20
- メディア: 文庫
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