ネタバレ注意。
五人の男女が孤島のセラピー施設に集められ、十歳のこどもへと退行催眠をかけられて始まる、ブラック・コメディ・ホラー。
「山田のおじさん」をめぐる、作品の中核的なアイデアはとても面白い。実体験ってことも含めて、さすが中島らもだと思う。
だけどこのアイデアの落ち着く先が、クローズド・サークルでのB級スプラッタ・ホラーってのはちょっともったいない。元が舞台劇って制約も作用しているだろうし、B級をこそよしとする志向も分かるけど、もっとジワジワとそら恐ろしい小説にできた気がするなー。
評価はC。
- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/20
- メディア: 文庫
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