ネタバレ注意。
地下鉄の駅ですれ違う人々が、それぞれの恐怖の世界に近接する、アーバン・ホラー。
視点人物が何人かいる中で、どこに焦点合わせればいいのかわからない、断片的で、悪く言えば散漫な印象の作品だった。それが都市生活の中におけるホラーとしての主題だと言われればそうなのかもしれないけれど。
山田正紀らしい枯れた物悲しさは通底していて、実際に地下鉄のホームで読んでたらすごく寒々しい気持ちになったので、演出効果は認められるかも。あと地下鉄の中吊りのグラビアが、すべてゾンビ化した老婆になるってヴィジョンは、なかなかに凄まじいものがあったw
評価はC。
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
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