山田正紀『サブウェイ』ハルキ・ホラー文庫

ネタバレ注意。
地下鉄の駅ですれ違う人々が、それぞれの恐怖の世界に近接する、アーバン・ホラー。
視点人物が何人かいる中で、どこに焦点合わせればいいのかわからない、断片的で、悪く言えば散漫な印象の作品だった。それが都市生活の中におけるホラーとしての主題だと言われればそうなのかもしれないけれど。
山田正紀らしい枯れた物悲しさは通底していて、実際に地下鉄のホームで読んでたらすごく寒々しい気持ちになったので、演出効果は認められるかも。あと地下鉄の中吊りのグラビアが、すべてゾンビ化した老婆になるってヴィジョンは、なかなかに凄まじいものがあったw
評価はC。

サブウェイ (ハルキ・ホラー文庫)

サブウェイ (ハルキ・ホラー文庫)