山田正紀『崑崙遊撃隊』ハルキ文庫

ネタバレ注意。
昭和九年、動乱の中国に、伝説の「崑崙」を求めて旅をする冒険活劇。
大戦前夜の、魑魅魍魎蠢く大陸という舞台立て、またその中での伝奇ファンタジィとしての道具立て、いずれもケレンたっぷりで、ワクワクしながら読ませてくれる。
愛憎劇的な要素とか、コンゲーム的な要素においてはツメの甘さが散見されるのだけど、それも一編の長編に物語の要素をめいっぱい詰め込んだ、小説家のサービス精神の故か。そうしたものもひっくるめて、スピード感のままに一気に読み終えてしまうのが正しいんだろうし、実際そうした。うわー大蛸出てきたよバカだなー、つって。
評価はC+。

崑崙遊撃隊 (ハルキ文庫)

崑崙遊撃隊 (ハルキ文庫)