山田正紀『エイダ』ハヤカワ文庫JA

ネタバレ注意。
長編SF。
量子物理学をSFとしてのイマジネーションの、「フランケンシュタイン」をメタフィクショナルな構成の、それぞれ中心に援用し、ササン朝ペルシャの歴史要素や「シャーロック・ホームズ」のパスティッシュなど、様々な要素を組み込んで描かれるSF絵巻。
いろいろと節操のない手つきで取り入れているけど、それがしっかりエンタテインメント性とリーダビリティに繋がっているのはさすが。『僧正の積木唄』もそうだったけど、パスティッシュは相当巧いな。
量子物理学にまつわる、様々なSF的蘊蓄は正直斜め読みにしてしまったけれど…。俺はむしろ自虐ネタに惹かれた。これも完全にお得意のネタだよね。
評価はC+。

エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))

エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))