森福都『十八面の骰子』光文社文庫

ネタバレ注意。
宋台中国、「巡安御史」趙希舜とその一行の世直し全国行脚を描く歴史ミステリ連作。
キャラも立ち、プロットも練られ、伏線とガジェットも巧みに配置され、歴史モノとしての世界観もしっかり構築されている。すべてにおいて不足はなく、よくまとまったシリーズとして、作家の筆力を感じさせる。
ただちょっと、あまりに優等生的でつまらない、トガった部分に欠けるという印象もあり。まあかなり無茶な要求だとは自覚しているが、こういう技巧派の女性作家にはよくあるパターンでもある。
評価はC+。

十八面の骰子 (光文社文庫)

十八面の骰子 (光文社文庫)