星野源 『エピソード』

2nd。
才人・星野源のソロ作品、1stに引き続き、愛すべきフォーク・ポップ・アルバムとなっております。
フォークとしてのシンプルな、あるいはストリングスやホーンのセクションの彩りを取り入れての、それぞれ洗練されていながらもあたたかみを失わないサウンド構築が見事ですが、その中心で、やはりヴォーカルの魅力と存在感が際立っています。もし俺がなれるんだったらこのぐらいがいい。永積タカシまでいったらキャラ強すぎるし。
さて、そんな詮無いこと言っててもしょうがないので、やはりリード・トラック「くだらないの中に」について。作品自体のテーマとして、生活のさまざまな断片を、そこにある喜びや幸せを掬いあげて歌おう、というものが見え、それは前作から引き続く星野源というアーティストの揺るがない主題なのでしょうが、「くだらないの中に」は、ただ一曲でその至極を表現しているように思いました。シンプルで無駄のない、根源的で感動的な詞と、起伏に富んでいながら美しく流れ続けるメロディ、情感豊かなヴォーカル。まんまと泣かされるミディアム・バラード、これを聴いている時に湧きあがる感情というのは、自分の中で一番大事にしなければならない感情なのではないかと、そんな風に思わされるぐらいの名曲です。
あとは「未来」「日常」といった楽曲も、タイトルやテーマのシンプルさに負けない、感動的な佳曲です。だからチェロアレンジはツボだっつーの。
「ステップ」「ストーブ」「予想」あたりはなんか連作ぽいが…フィクションかなあ。

エピソード

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