星野源 『STRANGER』

3rd。
名盤。
ちょっと嫉妬するぐらいに素晴らしいアルバムです。あの多才にあの佇まい、なんかもう、星野源に生まれたかったですね。これで病気でもしものことがあったりしたら、そのまま伝説になるとこだったわ。ホントによかった。

どんなことも 胸が裂けるほど苦しい
夜が来ても すべて憶えているだろ
声を上げて 飛び上がるほどに嬉しい
そんな日々が これから起こるはずだろ
(「フィルム」)

『ばかのうた』には「くせのうた」、『エピソード』には「くだらないの中に」という、アルバムの核として絶対的な存在感を放つ曲があったのですが、今回その核はより遍在しているように感じました。個人的には「フィルム」「生まれ変わり」の二曲の美しいバラードが至福だけど、「化物」「夢の外へ」のアッパー感にも、「スカート」「季節」の生活描写にも、「知らない」の詩情にも、音楽の幸福が豊かに息づいていて。
作品の愛らしい佇まいからは離れて、かなり大袈裟な物言いになってしまっているのは自覚していますが、でもこの作品の曲たちは、なんだか聴く者の心に向けて歌われているようでいて、それはこのアルバムを評するのにぜひ言っておかなければいけないと思いました。バラードが心に沁み入るように、アッパーな曲は心が浮き立つように、作り手兼唄い手が丁寧に、信頼できる仲間たちと「心をこめて」織り上げた、その真摯さと充実感が伝わってきて。
…と、若干恥ずかしいレビューを缶レッドアイの酔いに任せて書いてきたのですが、そもそも未だに星野源好きっつーのに若干の含羞があるんだな。でもこんな名盤聴かされたら、声大にして言わざるを得ないよね。
ファンです、もう。

Stranger

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