amazarashi "LIVE TOUR 2014 「夕日信仰ヒガシズム」"

2014.11.3@Zepp Nagoya
つかリリースからライヴまで短くね? ということでレヴューも書かないうちにレコ発に行ってきました。
前回『あんたへ』のリリースツアーが初amazarashiだったわけですが、『あんたへ』に比して『夕日信仰ヒガシズム』はアッパーな曲が多いし、多分紗幕はあるだろうけど、モッシュとは言わないまでも拳あげたり、シンガロングはしないまでもシャウトのとこに合わせたり、バラードはしんみり聴き入るけどアッパー系では跳んだり跳ねたりできるかも、十か月でバンドもライヴも身体性増してるだろうし、なんてうっすら期待して行ったの。
…したら、まさかの椅子。Zeppのアリーナに、整然と、椅子。
…おとなしく座って観ましたよ。ライヴアレンジも演奏も盤石だったし、ヴォーカルも調子よさそうでエモーショナルだったし、ライヴのクオリティじたいに文句はないよ。でもね、ああやってライヴハウスで椅子に座ってスクリーン越しに観るって空間構成が、amazarashiの音楽を体感するのにベストだとはどうしても思えない。身体動かすのさえ憚られる空間のその同調圧力って、amazarashiの世界観において真っ先に否定されている類のものだと思うんだけど…。まあそんな気にせず勝手に楽しめばいいんだろうし、普通のライヴハウスの空間になったらまたそっちに対する同調圧力が発生するんだろうけどね。でもなあ、「もう一度」とかは絶対身体動かした方が感動すると思うな。
セットリストはアルバム中心に既発曲織り交ぜて、アルバムで聴きたかった曲は全部聴けて特に「雨男」と「ひろ」はやはり感動的だった。「もう一度」と「スターライト」のアッパー二曲は拳挙げたかったわ。既発曲はちょっと選曲に疑問があって…「さくら」の季節感とか、「あとがき」は『あんたへ』の世界観に不可分なんじゃないかとか、「冷凍睡眠」は確かに凄いし現状の演出でやるんならベスト曲に近いけど定番にするには主張が強すぎる、端的に二回連続で観るのはもったいないとか…、だけど結局どの曲もクセが強いんで統一的にライヴの世界観作るのは難しいよなあと思ったり。あと最近MVめっちゃ観てるから、映像演出がMVそのままだとちょっと残念だった。「雨男」ぐらいのがちょうどいいわ。
最近、と言ってもだいぶ長い間、僕の音楽聴取生活を席巻しているamazarashiですが、ライヴはまだまだ伸び代を感じます。それは未成熟とかまして稚拙だとかそんな悪い意味ではまったくなくて、すでに盤石にすら感じられるライヴ空間がどういう風に変化していくのか、あるいは依怙地なアラサーロックファンがその確固たる世界観に馴染んでいくのか、若干のスリルと共に、好きなバンドのライヴを追い続けるという、これ以上ない楽しみがこの先も続いていく喜びと同義なのです。
セットリスト:1.後期衝動 2.ヒガシズム 3.もう一度 4.風に流離い 5.穴を掘っている 6.春待ち 7.さくら 8.少年少女 9.雨男 10.ラブソング 11.冷凍睡眠 12.あとがき 13.ひろ 14.それはまた別のお話 15.ジュブナイル 16.スターライト