GRAPEVINE 『愚かな者の語ること』

12th。
劈頭「無心の歌」のイントロから、名曲名盤の期待を煽られつつ、またそれを裏切られないままに走り抜けるアルバム。トータルの体感時間は最短かも。
亀井曲が多く、またどれも絶妙にセンチメントと骨っぽさを兼備した佳曲揃いであります。メンバクレジットされるようになったからか否か、高野鍵盤もいつもよりよく聞こえるような気がして。グルーヴに添えられる彩り、今作は理想的なバランスかも。
「片側一車線の夢」が特に好きかな。カントリィ・フレイヴァに、ベテラン・バンドとしての諧謔が混じって、愛らしくもかっこいい。

行かないか
かつてのようには若くないのがおっかないが
失った夢の続きを見るのだろう
ろくでなしの夢を
(「片側一車線の夢」)

ベストのセンチメント暴走聴いた後でこれ聴くと、またなんとも味わい深いものがあります。

愚かな者の語ること [通常盤]

愚かな者の語ること [通常盤]