ネタバレ特になし。
いつもの薄井流現代ファンタジィです。
村上春樹的な、静かで不思議な作品世界は、まあ心地よくはあるんだけど。今回はちょっとナルシスティックな成分が強く感じたし、女性キャラが皆アクが強くて好きになれなかった。なのであまり印象はよくないです。
「くじら」というメイン・モチーフの使い方もなんだか中途半端だなあと思った次第。最初は「父性」の象徴であって、エディプス・コンプレックスの克服みたいな方向にいくのかと思ってたら(それはそれでありふれてつまらないけれど)、それが後半どんどんいろんな意味が輻輳して、ぼやけてしまったような印象がありました。
評価はC。
- 作者: 薄井ゆうじ,小林恭二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/12/27
- メディア: 文庫
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