桜庭一樹『ファミリーポートレイト』講談社文庫

ネタバレ注意。

母・マコと娘・コマコの、夢幻的逃避行を描く長編。

なんつーか、ちゃんと考えて書いてないんじゃないかな、という危うさを漂わせながら進む前半は、しかし独特の雰囲気で読ませる面白いファンタジィではあった。でも後半、コマコが作家として立つ流れは正直よく分からなかった…なんか身近なネタでお茶濁されたような印象があって。

結局一番よかったのは、序盤も序盤、診療所の老医師と老看護師の会話だったな。ヴィヴィッドでキュートで、とてもよかった。

評価はC。

ファミリーポートレイト (講談社文庫)

ファミリーポートレイト (講談社文庫)