篠田真由美『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
タイトルの通り、中世ヨーロッパに(悪)名を轟かせたワラキア公の生涯を、若干のファンタジィ要素と共に描く歴史伝奇。
歴史小説としては、重厚さとスピード感を兼備して、なかなか読ませるものになっていると思う。後半のファンタジックな展開とか、ブラム・ストーカーを「インタヴュア・ウィズ・ヴァンパイア」に配した「額縁」も、物語の味付けとして許せる範囲だけど、一方でホモ/ショタの味付けはいらんかったな…。
…まあそれがなきゃ、この作家の作品とは言えないんだけどね。
評価はB−。