多島斗志之『バード・ウォーズ アメリカ情報部の奇略』文春文庫

ネタバレ注意。
KGBの面々が、アメリカ情報部*1の仕掛ける「奇略」に対抗する国際謀略サスペンス。
スパイ小説、と言うにはちょっと、描写やキャラ造形の密度が薄いかなーと思う。アガるキャラはレオノフ父ぐらいだったかな。血沸き肉躍るような活劇性はなかった。
じゃあ冷徹なプロット型かっつーと、それにしてはオチのどんでん返しが弱い。
端正で、一定の質は担保されてるけど、なにかしら足りなくて、惜しい。この作家はいろいろ書ける人だけど、読後感はいつもそんな感じだな。
評価はC+。

*1:ってボカしてんのに、裏表紙では「CIA」って書いちゃってんの。アカンやん。