2008 J.LEAGUE DIVISION2 第44節 モンテディオ山形 3-2 愛媛FC

「松山の歓喜」を、不本意ながらもスカパー観戦。
よっぽど愛媛まで行ったろうかと思って、路線の検索までしたけど結局、最近の(仕事における)身体の酷使ぶりにさすがに自重。テレビの前で独りで正座→絶叫。やっと落ち着いたところで書きます。このために今日の更新はとっといたんや。
で、昇格しました。
前節ほどではなかったとはいえ、ベストメンバーを揃えながらも、やはり前半はプレッシャーからか硬直したサッカー。そんななかで豪快なフリーキックを沈められ、俺の長谷川の見事な反転シュートで追い付きながらも、さらにサイドからのフリーキック、ニアの密集がブラインドになり直接決まる、という苦しい展開。二つめの失点なんかまさに、うまくいかない流れを象徴していましたが。
後半、試合は徐々に回転し始める。匠やザイ、途中投入のベテラン勢がスムーズに動けてたのは、鳥栖の兄貴の頑張り*1の情報を得てのことらしかったがw、彼らの落ち着いたプレーがチームに波及していった。そして43分。石川の芸術的なフリーキック。最近流行の、ブレて落ちる球筋とは異なり、素直な軌道で針の一点を突く、超精密なキック。息をのむような美しい軌道に、相手キーパーも含め全員が見入ってしまったような、素晴らしいゴールだった。そしてさらに感動的だったのが44分。カウンターからサイドをドリブルで駆け上がり、中に切れ込んだのは誰あろうナンバー10、財前宣之。そしてその大ベテランからボールを奪うように、いつの間にやら進出してきてシュートを放ったのは選手会長渡辺匠。後半のいい流れを作った、功労者二人が持ち込んだチャンス。シュートがDFに当たったこぼれ球、その先にいたのはやっぱり千両役者、豊田陽平。左足で、流し込むだけのゴール。
チームの歴史が凝縮したような、まさにメモリアルなゴールに、歓喜が爆発した。今までの人生でサッカーを観てきて、間違いなく一番嬉しいゴールだったよ。このチームが好きで、サッカーが好きでよかったと心から思う。ホイッスルの瞬間はまだ大丈夫だったけど、ミヤの泣き顔につられて号泣。
で、やっと落ち着いたところで、今季のチームの総括でも、と。
GKは結局シミケンが出ずっぱりで。確かに大ポカは何度かあったし、飛び出しの判断に弱点を見せるところもあったけれど。ただ反応の鋭さとセーブとキックの安定性、総じて高いクオリティは発揮してくれた。彼とポジションを争えるだけの選手の加入、あるいは雄太あたりの成長が来年は欲しいところ。
DF。レオがやってくれるのは十分分かっていたことで。トピックとしてはやはり石井か。ルーキーながら完全にレギュラとして定着、特に対人のレオに対して、カバーリング能力の高さを見せた。また後輩に遅れを取って、序盤まったく出番のなかった園田が、後半に持ち直して活躍してくれたのも頼もしいところ。特に福岡戦の彼は神がかってたね。そして両サイドバック。石川のコントロールタワーとしての活躍ぶりはもはや語るべきこともない。チームの心臓です。ぜひ末長くよろしくお願いします。宮本も右サイドバック、あるいはボランチとして、ポリバレントな活躍。第一クールセレッソ戦での香川封じが、シーズンに与えた影響はリーグ全体のレベルで大きかったと思います。この二人はレンタルですが…どうしますかフロント。あとキム。ホントマジに復帰を願ってます。
中盤。サトケンの成長、北村・宮沢の貢献度は大いに認めるところだが、上でやるのに(現有戦力が維持されたとして)一番不安なポイントは実はここだね。馬場を補強したのも現場にその意識があるからだろうし。*2まずボランチに一人、それから右サイドにもいいクロッサーが欲しいなあ…菅井なんか絶対来ないだろうな。スタメン以外にまで言及すれば、シーズン半ばの好調を、スーパーサブとしての得点力、あるいはキープ力を生かしたゲームクローザーとして支えた宮崎さんの活躍、なかなかうまく絡めないゲームが続くなか、天王山の湘南戦での値千金のゴールと、その後控え選手を称えるコメントで頼もしい兄貴ぶりを見せた匠も、それぞれ素敵でした。秋葉もケガしなきゃ、更なる、そして確固たる成長を刻んだシーズンだっただろうに、惜しかったね。
FW。なんつったって豊田と俺の長谷川。本当に本当に、誇らしいツートップです。シーズン序盤の豊田のケガ以降、絶対的エースとして、巧みな足技と、長身らしからぬ機動力で攻守両面に多大なる貢献をみせた俺の長谷川。ホーム広島戦の左足ボレーは、今シーズンのチームベストゴールだ。あなたの献身がなければ、この歓喜はなかった。人間性も含めて、こんなに好きになったサッカー選手は中村俊輔以来です。そして豊田。序盤のケガでエースの座をあけ渡しながら、五輪への強いモチベーションで復活を果たし、その得難い国際経験を経ての、以降の13試合9ゴールという結果は、「格の違い」を体現する素晴らしい活躍でした。ダービーでの超絶ヘッド、福岡戦での「豊田ゾーン」からの強シュート、熊本戦でのダイビングヘッド、そして今日のゴールと、記憶に強烈に刻まれるゴールで、終盤の熾烈の中にエースとして君臨。チームをJ1へと導いてくれました。この二人のエースを、来年も共にチームに置くというのは諸事情考えれば難しいのかもしれない。でも、俺はどうしようもなく、二人をトップに戴いたサッカーを、J1で観たい。というか、それはもはやステージに関係なく、「このチーム」でのサッカーを、まだまだ長く観ていたいんです。「好き」な選手、チームはいくらでもいるけど、こんな「誇り」を感じさせてくれたのは彼らだけだったのだから。
総括と言うより称賛だし、いい加減長くなってきたし、もはや書きながら涙でモニタが歪んでいるし、なのでもうやめますが、最大の称賛はやはり監督に贈られるべきでしょう。シーズン前の期待が、結果にして十全、そしてチームに対する誇らしさにおいては遥かに上回って満たされました。人間性の滲み出たインタビューや、サッカーへの情熱に溢れた、J's GOALの試合後の超長文インタビューテキストも毎回いとおしすぎました。今日のインタビューの時のほくそ笑んだ顔なんて最高で、むしろ爆笑しました。小林監督、いいチームを作ってくれてありがとうございました。
ああもう、心情的には誰に何度言っても足りないんだけど。選手、監督、スタッフ、フロント、そしてこのチームを愛するすべての人たちに、おめでとうとそして、ありがとうを。

*1:しかし藤田のゴール、特に一点目は見事過ぎた。ラインとの駆け引きと飛び出しのタイミング、アウトに掛けてキーパーを外したシュートの技術。J1で対戦したくないというのもあるけど、ぜひ鳥栖をあげて欲しいと思う。

*2:でも馬場、叩かれてるほど悪くないと思うけどなあ。徳島戦で宮本に通したスルーパスとか、今日の前半の豊田に対するロビングとか、危険なところ狙えてたし。確かにもっとボールに執着しろよボランチだろお前、と思うシーンは多かったけど。