2014 J1昇格プレーオフ 決勝 ジェフユナイテッド千葉 0-1 モンテディオ山形

2014.12.7@味の素スタジアム
味スタの歓喜
三万五千人を超える大観衆の味スタ。客が入るとプレッシャかかって負ける、という厭なジンクスはどうやらホームだけのものだったようで、我らがモンテディオの選手たちが、絶対命題だった勝利を掴み取ってくれました。
一発勝負でレギュレーション不均衡なプレイオフ決勝、硬くなるなというのが無理な話でしたが、ウチの選手たちはハイプレスの持続・連動と球際での強さ、そしてセットプレイ流れからの抜け目のない得点と、今季のチームの強さを象徴するような試合を見せてくれました。試合通してのディフェンスの集中、そして特に終盤、延々と鳴り続ける「park」の中での神岸連発など、引き締まった中に感動的なシーンの多い好ゲームでした。
宮阪のキック精度とザキさんの巧みなポジショニング・競り合いという先制点のシーンも素晴らしいのですが、この試合はなによりディフェンスの集中に胸が熱かったです。森本、谷澤を中心にJ2レベルを超えた個人能力を持つジェフ相手に、ハイプレスはもちろん、ボールホルダにはしっかり人を掛けて、そこが外されてもカバーを怠らない、という守備の意思統一は最後まで揺るぎませんでした。特に前半、森本のドリブルに三人が抜かれかけて、でも最後にアタックした當間が鋭い反転でタックル間に合わせたシーンなんかはその白眉であったと思います。CB三人はそれぞれがアタックとカバーリングに阿吽の呼吸を形成しているように見えたし、さらにはボランチのフォローも効いていて。町田に対する松岡のシュートブロック、最高だったよ。
またこの試合に限らずですが、選手起用・交代策で常に相手に先んじた石崎采配はやはり経験の深さを感じさせるものでした。陵平もゴールとはならなかったけど前線で体張ってくれたし、交代のメンツやタイミングも実に的確。ベンチのディエゴは本当に使える状態だったか分からないけど、確実にジェフベンチへのプレッシャになっていたと思います。一枚余ったのはともかく、ケンペスの投入を五分は遅らせたと思うし、使えない状態でそれやったんならマジに痺れる策士。
今季のハイライトとなるゲームが終わり、前回の昇格時のような、涙を伴う感激の代わりに、いくぶん静かな興奮を覚えています。かつて三年しがみつき、しかし跳ね返されてしまった舞台に、チームとして以上にクラブとして、どう立ち向かっていくのか。プレイオフに参加できなかった北九州や、我々の進出にあたって最高のアシスト決めてくれた水戸のためにも、などというのは驕りに過ぎるかもしれませんが、それでも確かに、そうしたJ2を戦ったライバルたちのためにも、クラブとしてプライドと実効力のある戦いを、オフの編成、即ち今この瞬間から始めていかなければいけないと感じています。サポータとしては、取りあえず昇格記念グッズに金を使うところからw
そして、まだまだシーズンは終わらず。同じカテゴリになるチーム相手に、相手が二冠王者だろうが臆してなどいられない。今年の日本のサッカー界で、一番最後まで戦いを続けられるという喜びと誇りを胸に、最後まで声を枯らそうと思います。完全防寒で。
ではまた、次は天皇杯決勝、日産スタジアムのゴール裏からお届けします。