伊吹亜門『雨と短銃』創元推理文庫

ネタバレ注意。

薩長同盟成立前夜の京都、二藩の周囲で起こる連続殺人を描く、時代ミステリ長編。

『刀と傘』での期待値がむやみと高く、正直肩すかしをくった感が否めない。主要な「被害者」二人の関係性が切ない演出だが、鬼面人を…という感じの有名人犯人のケレンでぼやけてしまっている印象がある。

筆力があまり長編向きじゃないのかもしれないな…細かすぎる章立てや、それらが判で押したようにいちいち情景描写から始まるところなんかもまどろっこしかった。

評価はＣ。