ネタバレ注意。
受験直前、轢き逃げ被害に遭った小鳩くんのベッド・ディテクティブと、小佐内ゆきの暗躍を描く、小市民シリーズ完結長編。
柔らかみのあるシニシズムを湛えた独特の筆致で心地よく読ませつつ、青春小説としてのビターさを加えていくスタイルは堂に入っているが、若干のマンネリを感じてしまうのも事実。ミステリとしての結構、伏線の配置も意外性に乏しいところがある。
ただ、小市民(志願)ふたりの関係性はあたたかくも微笑ましく、なかなか涙腺に来るものがあった。いろいろイタかったけどまあ…よかったじゃん。
評価はC+。