田中啓文『真鍮のむし 永見緋太郎の事件簿』創元推理文庫

ネタバレ注意。

アメリカ修行(?)編含む、シリーズ第三作品集。

確かに序盤の国内編はちょっとマンネリ気味かなーと思ったので、アメリカツアー編は物語にもジャズ蘊蓄的にも広がりと深みが出てよかったし、さらに帰国後のラスト「狐につままれる」が、シリーズ(とりあえずの)掉尾を飾るに足る快作だった。

心理的「音の密室」の破り方が鮮やかだったし、ディスク消失のトリックもなかなかにトんでて好きでしたね。クレバーさとバカさの両立、作者のいいところが出ていました。

評価はB-。