2024-06-19 田中啓文『真鍮のむし 永見緋太郎の事件簿』創元推理文庫 reading ネタバレ注意。アメリカ修行(?)編含む、シリーズ第三作品集。確かに序盤の国内編はちょっとマンネリ気味かなーと思ったので、アメリカツアー編は物語にもジャズ蘊蓄的にも広がりと深みが出てよかったし、さらに帰国後のラスト「狐につままれる」が、シリーズ(とりあえずの)掉尾を飾るに足る快作だった。心理的「音の密室」の破り方が鮮やかだったし、ディスク消失のトリックもなかなかにトんでて好きでしたね。クレバーさとバカさの両立、作者のいいところが出ていました。評価はB-。真鍮のむし (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)作者:田中 啓文東京創元社Amazon