舞城王太郎『畏れ入谷の彼女の柘榴』講談社文庫

ネタバレ注意。

三編の短編集。

いつもは登場人物、主に主人公の「正しさ」と、その姿勢の「かっこよさ」が魅力の舞城文学だが、今回はディスコミュニケーション、理解不能性の印象が強くて、なんだか怖かったわ。

表題作の千鶴はヤバすぎるし、「裏山の凄い猿」の母親との会話も怖い。「うちの玄関に座るため息」の直哉さんとの一幕をそう捉えてしまうのは「読めてない」ってことになるのかもだけど、それでも…ねえ?

評価はC+。