連城三紀彦『青き犠牲』光文社文庫

ネタバレ注意。

親子三代にわたる殺人悲劇を描く、ドメスティック・サスペンス。

オイディプスを下敷きにしたサスペンスってベタだよなーって思って読んでたけど、その構図がやがて、視点が章ごとに変わる度にどんどん変化・反転していくあたり、さすがに巧いなーと思いました。そりゃ凡百の作家ではありませんぜ。

物語の要請としても、描写はかなり粘着質であまり好みのものではありませんでしたが、短くまとまっていてよかったです。

評価はC+。