坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』文春学藝ライブラリー

ネタバレ特になし。

著者が戦後史の分水嶺と位置付ける、1972年の事物風俗についての時代評論。

叢書名からして、もっと学術的なカタい内容かと思ってたら(そしてそれを期待してたら)、音楽、映画、芸能、スポーツなんかの回顧内容が多くて拍子抜け。学生運動関係も、既知の内容ばっかりで得るものがなかった…つか全編通して書誌漁ってるだけなんだな。

しかしこの時代、連合赤軍なんてもの中心に追ってると、いかにも四畳半フォーク的な湿っぽさのイメージだけど、この本読んでるともっとモダンで空虚な、空騒ぎ的時代性を感じるな。マジでただの徒花だな彼らは。

評価はC。