辻村深月『かがみの孤城』ポプラ文庫

ネタバレ注意。

鏡の向こうにある「城」に集められた七人の中学生たちの「鍵探し」を描く長編。

不登校の中学生たちの生き難さを主題とする物語であるわけだが、いつもの辻村節で、丹念ではあるが人工的な厭らしさが否めない。また全体に仕掛けられたプロット・サプライズも、上巻を読み終えた段階でほぼ全てを見通せてしまう。

ブレイク作ではあるが、辻村作品の内でベストには遠いだろう。まあ特に後半、一気呵成に読ませるリーダビリティはさすがだし、その中でヒューマンな感動にうたれる場面もあったのだが。

でもやっぱ、喜多嶋先生周りは邪魔だなー。狙いがアコギすぎる。

評価はC+。