辻村深月『ツナグ』新潮文庫

ネタバレ注意。

死者と、遺された者との一夜の再会を仲介する、「使者(ツナグ)」のドラマを描く連作。

正直、あまりいい小説だとは思えなかった。あらすじから類推・危惧されるような単純なお涙頂戴ばかりではないけど、辻村小説にまま見られる人工性が、この作品では悪い方に出ているように思うな…読んでてなんだか居心地悪いのよ。

連作をビルドゥングス・ロマンとして閉じるやり方も、両親の死の真相がいかにもそのために用意されたつくりごとめいて厭な感じがした。結局最後まで、歩美くんを好きになれなかったなー。

評価はC。

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)