釜ヶ崎炊き出しの会(編著)『釜ヶ崎合唱団』ブレーンセンター

ネタバレ特になし。

編著のボランティア団体の会報「絆通信」に寄せられた、労働者たちの人生史の語り。

いや、マジでいろんな人生があるよね。当たり前の話だけど、外見や階層的なイメージからは分からない人生というものがそれぞれにあって、それをこうして聞き知っていくというのは、どんな人生であれそれは生きるに値する豊かなものだということの確認作業。

苦境にあっても希望や夢を語る人々の姿は美しいし、語りの中にある人生の転機…多くは暗転の…も興味深い。やはり気が進まないのかサラリと流されることも多いその契機は、家族との断絶であったり悪の道への誘いであったり、ギャンブルや嗜好品による経済破綻であったりと様々だけど、そうして一度「絆」を失いながらも、それを取り戻そうと生きる人々を支援する、団体の活動には純粋なリスペクトをおぼえる。

為政者も、こうしたものを読んで社会保障を考えるべきだと思います。発泡酒が麦酒になって喜んでる工員とか、違憲だって虐められてる自衛隊員の子供とか、いかにもな詐話で悦に入ってないでさ。

評価はB。

釜ヶ崎合唱団<労働者たちが波乱の人生を語った>

釜ヶ崎合唱団<労働者たちが波乱の人生を語った>