古野まほろ『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室』新潮文庫nex

ネタバレ注意。

東京五輪後、「厄災」を経て「中京都」に遷都している近未来の日本。それぞれに異能と二つ名を持つ六人の女性刑事が、政官業巨大疑獄に絡んで暗躍するテロリストと対峙する、ポリスアクション・SF。

既読のまほろの警察小説の中では最もエンタメに振り切っていて、愉しく読みました。相変わらず隠語や符丁を多く含んでクセは強いけど、「サッチョウ・ローズ」の面々の活躍は痛快にして爽快で、ああチートラノベの快感ってのはこういうもんなんだと思ったし、ストーリィは政官業癒着の構図、および懐かしの耐震偽装問題を分かりやすく示してくれつつ、勧善懲悪の帰結は必殺仕事人的なカタルシスを与えてくれる。

総合的な意味で、こうしたレーベルで書かれるには正しい小説だと思います。コレならシリーズ追ってもいいな。

評価はB。